2013年8月25日 エペソ人への手紙 -全能の力の実例 -

神は、その全能の力をキリストのうちに働かせて、キリストを死者の中からよみがえらせ…
エペソ1:20


講解説教No.10
エペソ1章20、21節

 神の全能の力、といっても能書きや理屈だけでは通りません。パウロは実例を示します。それが「神がキリストのうちに働かせた」力です。神はキリストが死者の中からよみがえらせることでその力を実証されました。ゼロ(無)から一切の有を造り出される神の力を示しています。死というゼロから永遠のいのちという無限大のプラスを造り出される力です。

 聖書はキリストの死の重要性を語っています。重要というのは確かに死んでいるということで、福音書には復活と同じくらいの紙面を使ってキリストの死を記しています。その目的は、完全な敗北としての死から、キリストがよみがえられたことで、神の全能の力を実証するためです。死んだら、微笑むことも、わかり合う事も何もできなくなります。その朽ちた状態から肉体と人格をもってよみがえることのできる力を私たち信じる者は知らなくてはいけません。そのためにも心の目がはっきりと見えなければならないのです。パウロがここで言いたいのはキリストの復活ではなく、実例で示したその力が、私たちに今働くということが言いたいのです。全能の力は私たちのいのちの根幹から働かれます。私たちはその力をもって必ず変えられます。

 また、神の全能の力はキリストに、天において地においての一切の権威を与えました。キリストの権威はすべての名の上にキリストの名を置かれます。この世の名だけの迷信的な権威も、その中には含まれています。それに惑わされることなく、キリストにのみ権威を帰すことをしたいのです。日本においても迷信的権威に強く影響されます。先祖供養のお盆はその典型でしょう。私たちは多種多様な支配や名が横行している中で生活していますから、なおさらのこと、しっかりと神の全能の力を知り、私たちに働くことを現実のこととしなければなりません。