2013年10月6日 エペソ人への手紙-神の家族の一員として-

こういうわけで、あなたがたは、もはや他国人でも寄留者でもなく、今は聖徒たちと同じ国民であり、神の家族なのです。
エペソ2:19


講解説教No.16
エペソ2章17―19節

 「それからキリストは来られて…平和を述べ…」(17)人間にとって最も必要なものは福音です。17節で「福音」を「平和」と置き換えているのは、人間に必要なものが福音のうちに見られる神との平和だからです。神と人格的に交わることができるように造られたのが人間です。生きる喜びはそこにあります。しかし罪を犯し神から離れた結果、人は不安と悩みだらけの人生になってしまいました。ですから、神との平和を取り戻すことがどうしても必要です。

 クリスチャンとしての歩みの中でも、神のおしえにそむかず、従うことで神との平和を保っている人は常に幸福な状態にあるでしょう。常にと申し上げたのは困難な状況にあってもということです。パウロが言おうとしている結論は、「神の家族」であるということです。教会の中での互いの違いの問題、少しでも自分に優れているものを見出しては他の人と自分を区別して誇り高ぶろうとする必要はありません。神の家族だからです。観光ビザしかなく、その身の保証がない他国人ではなく、市民権のない寄留者でもないのです。キリストの血の通っている神の家族です。

 国民が保護してくれるその国に、税金を払うという国民としての責任を果たすのと同じように、神の家族の一員も、御国の王であられる主なる神をほかの人に示していく責任があります。「人々があなたがたの良い行いを見て、天におられるあなたがたの父をあがめるようにしなさい」(5:16)私たちには神の家族の一員としてのふさわしい生き方が求められています。キリストによって和解が与えられているのですから、その事実に基づかないような対立や隔たりを教会に残していてはいけません。それが取り除かれたことを前提に、神の家族の一員としての責任を、宣教という行動をもって示していきたいものです。