2015年8月16日 ルカの福音書 信仰の再確認 ~パンの奇蹟から~

しかしイエスは、彼らに言われた。「あなたがたで、何か食べる物を上げなさい。」彼らは言った。「私たちには五つのパンと二匹の魚のほか何もありません。私たちが出かけて行って、この民全体のために食物を買うのでしょうか。」 
ルカ9:13


講解説教No.41
ルカ9章10-17節

 パンの増える奇蹟は、4つの福音書すべてに記録されている大切な出来事です。多くの群衆がイエスを求めてついて来たのですが、人里はなれたところで日が暮れてしまいました。弟子たちは群衆の食事を心配して、彼らを解散させてくださいとイエスに頼みました。群衆はイエスの話に夢中、そのイエスの一言で解散できると。考えました。弟子たちは、「群衆は自分たちで食事を用意すべき」と判断しました。男だけで5千人もいました。弟子たちの判断は常識の範囲でしょう。しかし、イエスには別の計画がありました。「あなたがたで、何か食べる物をあげなさい」(13)でした。常識を基準に考えるなら、イエスの指示は極めて非常識と言わなければなりません。しかしイエスには特別な意図があります。なるでしょう。常識と自分の計算でイエスの言動を見ていたら、いつまでも理解できません。宣教の働きをするときには、「何も持っていかないようにしなさい」というのがイエスの教えでした(3)。宣教に必要なすべてのものは、神によってそなえられると信じて実行することが求められました。今、弟子たちは多くの群衆を前に、それを実践すべきだったのです。「あなたがたで」とは、「あなたがたの力で」ということではなく、「イエスの権威と力を授けられたあなたがたで」のが正しいでしょう。そもそも、「あなたがたで、何か食べる物をあげなさい」は、イエスの絶対的な権威あることばではありませんか。自分に到底不可能なことであれば、それを認めて、権威ある方のところに行くべきです。これまでイエスはそれぞれの分野で権威を示されてきました。自然界、霊的世界、病、死に対してまで。そうであれば、人間の肉体の必要においても、イエスには権威があるのではないでしょうか。弟子たちは一度、イエスのおことばを躊躇しましたが、従いなおしました(14,16)。わずかなパンが5千人以上の人々を満足させるに至るまで増えるなど?もしこれを私たちが説明できるような内容であったら、イエスなど、もともと信じるに価しない者となるのではないでしょうか。神でない者をどうして信じなければ?ということに。しかし、聖書はこの方こそ、一切の権威を持ち、すべてを支配しておられる神の御子であることを証言しているのです。