2017年12月3日 ペテロの手紙第一 -偽りのない兄弟愛-

あなたがたは、真理に従うことによって、たましいを清め、偽りのない兄弟愛を抱くようになったのですから、互いに心から熱く愛し合いなさい。
Ⅰペテロ1:22


講解説教No.7
Ⅰペテロ1章22~25節

 聖なるものとされることの一つに「互いに心から熱く愛し合う」ことが教えられています。試練という困難の中にいると余裕がなくなります。だからこそ心から熱く愛し合うことがクリスチャンに求められています。一般的な教えであれば「余裕がないのだから愛し合うよりもむしろ、そっとしておく」となるのではないでしょうか。聖書の教えは、『あなたがたが新しく生まれて兄弟愛を抱くようになったのだから、互いに愛し合いなさいなさい』となっています。「新しく生まれた」とは私たちの新しい立場です。その立場が互いに愛するという行動の根拠となります。立場があいまいな状態であれば行動も不安定になります。愛し合うどころかさばき合いかねません。立場があって次にそれに基づく行動があります。この順序が逆にならないように注意しましょう。手紙の読者たちには「悪意、ごまかし、ねたみ、悪口」捨てなければならない状況があったようです(2:1)。そのとき解決策としてまずその行動の部分を矯正しようと努めます。しかしペテロ(聖書)の解決は、彼らの立場を再認識させることでした。23節以降で「あなたがたが新しく生まれたのは」と繰り返しその立場を思い起こさせています。しおれて燃やされてしまう草や花に人がたとえられています。はかない命を持つ私たちが新しく生まれたのです。この新しいいのちは神のことばによって生み出されるのです。いつからか、私たちは神のことばに触れ、事実神のことばだとその福音を信じたのでした。これまでにペテロは3つの朽ちないものを述べています。朽ちない資産(4)、朽ちるものによらない贖い(18,19)、朽ちない神のことば。新しく生まれた私たちは朽ちることのない性質があります。この立場があるから兄弟愛を抱くのであって、愛し合うことが可能となるのです。自分に失望せずみことばの事実に立ちましょう。