2018年7月1日 ペテロの手紙第一 -堅く信仰に立って-

堅く信仰に立って、この悪魔に立ち向かいなさい。ご承知のように、世にあるあなたがたの兄弟である人々は同じ苦しみを通って来たのです。
Ⅰペテロ5:9


講解説教No.28
Ⅰペテロ5章8~11節


 ペテロは手紙の最後に悪魔の存在を書き記しました。試練の時には悪魔も必ずいることを自分の経験も踏まえて語っているのです。敵である悪魔はクリスチャンを神とそのみことばから引き離そうと、ライオンのように襲い掛かろうとしています。万物の終わりであることを悪魔自身も知っているのでしょう。それはすなわち悪魔の最後でもあるので必死です。このような敵の攻撃に対して、まず「身を慎み、目をさまして」いることです。警戒し自制心をもって敵を把握すること、落ち着いて祈りをささげることが必要です。その上で悪魔に立ち向かうのです。悪魔の攻撃に対してははっきりとNOを告げなければなりません。イエスがご自分の身に起こる十字架の受難を弟子たちに示したとき、ペテロはイエスをいさめたことがありました。そのときイエスは「下がれサタン、あなたはわたしの邪魔をするものだ…」と告げたのです。ペテロとしてはイエスのためを思ってのことかもしれません。しかし人間的な愛情が神の道を妨げるとき、イエスはそれをサタンの働きと解釈されるのです。教会は愛と赦しと受容の満ちた場所です。だからこそ、悪魔の働きの時にはNOを告げなければならないのです。曖昧さは敵に襲われます。このように堅く信仰に立ち、悪魔に立ち向かうなら、第一に神は私たちを完全にされます。私たちの弱さや欠けを回復してくださいます。第二に堅く立たせてくださいます。苦しみによって確かな人格が与えられます。第三に強くしてくださいます。内なる人を強め下さり生きた信仰に導かれます。第四に不動のものとしてくださいます。私たち自身が不動なのではなく、不動であられるイエスを基礎に置くということです。苦しみに出会う時にのみ信仰の根底にまで追いつめられるものです。その時初めて揺るがないもの、神を真に知るのです。