そこで、彼は立ち去り、イエスが自分にどんなに大きなことをしてくださったかを、デカポリスの地方で言い広め始めた。人々はみな驚いた。
マルコ5:20
マルコ5章1-20節
汚れた霊につかれた人が墓場を住み家としなければならないのは、人と同じ生活ができなくなっているからです。なぜできないかというと、人を傷つけ、人間関係を破壊しているからです。人との関りを断ち、孤立している人は今でも多くいます。人は神と人と交わるように造られていることから見ると、孤立した人間というのは真に生きていないと言っていいでしょう。「いったい私に何をしようと…(私とあなたに何の関係があるのですか。)」(2017年版訳)と言っていることからも、悪霊の目的は人をキリストとかかわりを持たせないことだと分かります。そうすると、人の救いとは破壊された関係の回復と言うことができます。まずキリストとの関係、その回復により人との壊された関係も回復します。キリストは関係を壊し続ける悪霊に「出て行け」と言われただけで、この人に救いをもたらしました。キリストには悪霊の破壊的力よりもはるかに強い権威と力をお持ちなのです。この人は主の救いによって正気に返って座っていました。人間としての生活の秩序に戻って来たのです。彼がどこに座っているかが重要です。「イエスの足もと」(ルカ8:35)です。それはイエスに聞き従う姿です。どうりで平安を頂くわけです。あなたはイエスの足もとから離れていませんか?「あなたの家、あなたの家族のところに帰り、主があなたに、どんなに大きなことをしてくださったか…知らせよ」との言葉に聞き従った彼は、イエスのなさったことを「言い広め始め」たのです。この言葉は宣教を意味します。彼はこれまで傷つけて来た人たちの中へ帰されます。破壊されていた人との関係の中へ帰されるのです。イエスは彼がその人間関係をもう一度回復することを願って、新たに派遣されるのです。主はあなたを派遣したいと願っておられます。