2023年6月19日 説教テーマ「偽りのない愛」

愛には偽りがあってはなりません。悪を憎み、善から離れないようにしなさい。 ローマ12:9 ローマ人への手紙12章9―10節 私たちは、罪の弱さを持った自分であったとしても、神が愛し、キリストに免じて価なしに義と認められた者として自分というものを評価します。それが本当の自分です。そこからキリストにある一つのからだという新しい交わりが生まれます。そこで求められていることは、偽りのない愛をもって生活をすることです。21節に至るまでに偽りのない愛の具体的な実践が述べられています。残念ながら私たちの愛は偽りに陥ることがあります。愛しているふりをするのです。なぜそのようなことをするのかというと、愛のある人と思われたいですし、自分自身が愛されたいからということもありましょう。そういった愛する動機さえ自覚せずに、自分には愛があると自分を欺くことさえあります。実にハードルの高い要求です。ただ聖書が私たちにどのように教えているかを良く見なければいけません。聖書は初めからこの愛を要求していません。12章で初めて私たちに愛が要求されました。11章までも愛は語られていましたが、それはすべて神が私たちを愛されたという神の愛です。まず神の愛があって、その後に初めて誰かを偽りなく愛するということが来るのです。前提条件が重要だということです。「愛には偽りがあってはなりません」というみことばの原語を見ると、命令形ではなく「愛には偽りがない」との宣言になっています。そのあとに記されている具体的なことも「こうしなさい」ではなく、偽りのない愛の姿が記されているのです。つまり聖書は、私たちがそのような愛に生きることができるという前提で教えられているのです。それこそ前提条件が大切になってきます。その前提条件とは福音であり、神の愛です。決して死なすまい、なんとしても救う!と神はご自分のひとり子のいのちをお与えになるほどに私たちを愛してくださいました。偽りのない愛はここにしかありません。この神の愛が私たちに注がれているのです。この前提条件ならば、「互いに相手をすぐれた者として尊敬し合う」ことも実践できます。これは「競い合って尊敬しなさい」とも訳せるもので、他の人ではなく、自らが人に先立って相手を尊敬することができるのです。