2023年11月12日 説教テーマ「善にはさとく、悪にはうとく」

…なお私が願うのは、あなたがたが善にはさとく、悪にはうとくあることです。平和の神は、速やかに、あなたがたの足の下でサタンを踏み砕いてくださいます。 ローマ16:19,20 ローマ16章17-20節 シャローム(神の平和と祝福が満ちるように)の挨拶で手紙を閉じると思ったら、警戒しなさいと非常に強い表現で教会内に危険人物がいることを指摘しました。その人たちは「あなたがたの学んだ教えに背いて」いる人たちです。その教えとは「御子に関するもの」(1:3)で、「伝えられた教えの規範」(6:17)であり、「(私の)福音」であり、「イエスキリストを伝える宣教」です。これを失うと教会が教会でなくなります。基となるこの教えは一つで、全世界の教会の一致の基です。彼らは自分の欲望に仕えています。キリストに仕えることを止め、自分の欲望を大切にします。それはすなわち、偶像礼拝です(コロサイ 3:5)。また彼らは教会の人たちをだまします。祝福をもって褒め(滑らかなことば)、気に入られるように振舞います(へつらいのことば)。彼らが大切にしているのは教会の人たちではありません。自分の欲望です。この事態でパウロはなぜ冷静さを保ち、教会の人たちに確信をもって勧めることができるのでしょうか?それは、神が彼らを強くすることができる方だと信じていたからです(25,26)。神は彼らを福音によって強くします。教会にとって福音がどれほど大切なことか!福音を良く知り、良く伝え、良く教えましょう。その福音の極みとして、20節で「平和の神は、速やかに、あなたがたの足の下でサタンを踏み砕いてくださいます」と。この世界の支配者(一時的)、福音の光を輝かせないようにする存在、全世界を惑わす者がサタンです。私たちはサタンと戦うことは出来ません。イエスはそれを前提に「私たちを試みに会わせず、悪(サタン)からお救いください」(マタイ6:13)と祈ることさえ教えます。神がサタンと戦います。不思議なのは神がサタンを踏み砕く場所です。私たちの足の下なのです。これはサタンの敗北が私たちが知らぬ間に起こるというものではないということです。私たちが自分の欲望に仕えればサタンの勝利、しかし益々キリストに仕え、互いに赦し合い、互いに愛し合うなら、サタンの敗北、ひどい踏み砕かれ方をするのです。神はそれを「速やかに」行われます。「間もなく」とも訳します。つまり、これから実現する事柄です。速やかという言葉の意味合いは、神が必ずさばかれるという約束への信頼の強さを表現しています。善にはさとく…すなわち、福音と救いの完成には鋭い感覚をもって、敏感でいること。悪にはうとく…すなわち、悪とは距離を取ること、遠ざかること。きょうの内容から、さとく生き、かつうとく生きましょう。