2013年4月7日 使徒の働き ー苦難を乗り越える秘訣ー

ですから、皆さん。元気を出しなさい。すべて私に告げられたとおりになると、私は神によって信じています。
使徒27:25


講解説教No.82
使徒の働き27:1-26

 パウロのローマへの旅を通して苦難を乗り越える秘訣を学びます。神が共におられるパウロに苦難の連続の旅だったことから、まず、苦難に遭遇しない秘訣はないことを知っておきましょう。それよりも苦難があっても勇気を失わず、元気に進むことが出来ることのほうが優れた秘訣です。

 海路およそ2700キロの船の上でほとんどの人が、経験とその時の状況判断に頼りました。航海士、船長の意見に頼るのも無理のないことです。しかし彼らでも予測不能な事態があるように、私たちの生活でも経験や状況を予測しても波に飲まれることはあるのです。パウロの場合は「…私に告げられたとおりになると、私は神によって信じています。」とあるように、神への信頼から冷静な判断と行動が生じているのがわかります。信頼と共に、主の目的を知っていたことも大きな理由です。「あなたは必ずカイザルの前に立ちます」(24)というローマでのキリストの証がパウロに委ねられていた主の目的です。自分の向かうべき先がしっかり見えているので、途中で何があってもうろたえることがないのです。

 クリスチャン一人一人は、神の救いの完成のための定められた目的地を持っています。異邦人伝道のパイオニアとしてパウロはローマという目的地でした。私たちにも「そこがあなたの奉仕する場所だ」と主が言っておられる働き場があるのです。自分の経験とその時の状況判断に頼った人たちは結局元気を失ってしまいました。神を頼り、その方の目的に従って歩む人は、元気のない人に「元気を出しなさい」と励ますことができるのです。「主が命じてあらしを起こすと、風が波を高くした…そのたましいはみじめにも、溶け去った。…主があらしを静めると、波はないだ。…主は彼らをその望む港に導かれた」(詩篇107:25-30)