「いと高き所に、栄光が、神にあるように。
地の上に、平和が、御心にかなう人々にあるように。」
ルカ2:14
ルカ2章8-14節
きょう、お伝えする大切なポイントは、天の栄光と地の平和とが結び合うところにクリスマスの喜びがあるということです。天使たちは神の栄光と地上を生きる人々の平和を歌ったのですが、人間の生きている地上の現実はこの時どうだったのでしょうか?皇帝アウグストはローマの初代皇帝と言われ、国内で長く続いた内乱をおさめたことでローマの支配体制を確立しました。「全世界」というほど彼の領土は拡大しました。その平和はローマの圧倒的な軍事力によるものでした。その時代にキリストはお生まれになりました。戦いが終わり、平和になると人や物の行き来が盛んになります。そこに経済的な繁栄がもたらされ、人々の生活が豊かになります。ローマはその絶頂期を迎えようとしていました。しかしその陰で起こっていたことを聖書は語っています。皇帝の勅令による人口調査は繁栄に合わせた国勢調査ではなく、さらに人々の税金を取り立てる手段でした。民衆は苦しめられます。この調査のため皆本籍地に出向かねばならず、ヨセフも妊婦マリヤも例外なく、100キロを超えるベツレヘムへと向かったのです。緊急事態です…赤ちゃんを産んだ場所が家畜のいる小屋?!早急に出産場所を確保しなければならないことが、町が登録者でごった返し、宿という宿がない状況でよくわかります。国の平和を維持するために取られた措置がこれです。いつの時代も立場の弱い人、貧しい人たちが支配者の命令にただ翻弄されるのです。地上に生きる私たちに本当の平和が確立するのは、天において神の栄光が確立することによってです。両者は不可分の関係にあります。これは地上の平和が人間の努力によって決して打ち立てられないことでもあります。私たちの力で平和を実現しようとしても必ず失敗します。私たちに罪があるからです。神を尊敬しないで自分中心に生きている私たちは他の人を大切にすることはできません。キリストがお生まれになったのは、そのような罪の支配下にある私たちに神の栄光を現し、救いを提供し、それを信じる者が本当の平和を頂くためです。