2021年7月4日 誇る者は主を誇りなさい

私たちの戦いの武器は、肉の物ではなく、神の御前で、要塞をも破るほどに力のあるものです。 Ⅱコリント10:4 コリント人への手紙第二講解説教№28 Ⅱコリント10章7-18節 その人がキリストに属しているかどうか、偽使徒たちの判断基準は「うわべ」です。その基準からすると、パウロはキリストに属していません。彼らはパウロのことを「弱々しく」と見ています。実際にパウロは肉体的疾患を持っていたのでそう見えます(12:7)。また、「その話しぶりは、なっていない」とも。この見方も間違っていません。パウロはコリントの兄姉たちに対して、あえて優しく、静かで柔和な態度を心がけました。その姿は偽使徒たちにとって、権威のない者に映りました。それもそのはずで、偽使徒たちの「倒すため」の権威と誤解されないためでした。彼らの「自己推薦」も権威の誇張で、相手の信頼を自分で作り出すような知恵のないことです。まただれかとの「比較」も、自分のほうが上にいたいからです。要するに、彼らは自分の権威を建て上げたいのです。それも教会を利用して。その利用の仕方も、「限度を超えて」です。神に遣わされて設立したコリント教会の上に自分たちの教会を建てようとしました。パウロの教えを否定し、他人の羊を奪いながら、自分の権威のためにです。では、パウロのしたいことは何でしょう?教会を建て上げたいのです。そのために自分に与えられた権威を用いようとしています。与えられた権威に基づき、「神が…量って割り当ててくださった限度」というものが与えられています。パウロに関しての割り当ては、異邦人伝道です(使徒9:15、26:16-18)。神の救いのご計画の中で、ユダヤ人から異邦人へ福音が展開していく転換点が、パウロに割り当てられた働き、賜物です。異邦人伝道の一つであるコリント教会設立も割り当ての限度内です。私たちも立川教会を建て上げるという割り当てを神から頂いています。教会の中の組み立て方も、割り当てがあります。おのおのに与えられた賜物と信仰がそれです。足、手、目、耳、それぞれの役割が与えられていて、しかも教会はキリストのからだとして生きていますから、自分の役割を超えてしまうと、からだ全体のバランスを崩します(ローマ12:3)。 神の割り当ては、ご自身の確かなご計画に沿った固定されたものであることを認めることは幸いです(ローマ11:29)。パウロが兄姉の成長を願っているのは、その教会によって福音の働きが、向こうの地域にまで広げられて行くことを願っているからです。これは教会が新たな教会を生み出していくという、教会本来の目的です。