2015年6月14日 ルカの福音書 -神の国の福音に携わる人々-

その後、イエスは、神の国を説き、その福音を宣べ伝えながら、町や村を次から次に旅をしておられた。十二弟子もお供をした。
ルカ8:1

講解説教No.33
ルカ8章1-3節

 「イエスは、神の国を説き、その福音を宣べ伝え…」(1)「神の国」とは「神の支配」のことです。神が世界を創造されたとき、それは完全なものでした。なぜ完全なのか?立てられた神の主権と支配のもとに造られたからです。ところが、人間が神に反逆した結果、造られたすべてのものに混乱が生じました。人間は皆自分のためだけに他者を傷つけて生きるようになりました。被造物全体も呪われ、土地も祝福をもって実りを生み出さなくなりました。自然の混乱、いのちの混乱、労働の混乱、人間関係の混乱…なぜでしょう?神がお造りになられた主権と支配のもとにこの地上が動いていないから混乱しているのです。今地上はサタンの支配のもとにあります(エペソ6:12)。混乱しているこの世界を、神の支配のもとに回復させようと、神が贖いの歴史の中で動き出されたのです。その最大の動きが、神が人となられて地上に来られたことです。神の国の到来です。そしてキリストの十字架の贖いです。このキリストを信じる者のただ中に神の国が現臨するだけではなく、キリストが再び地上に来られるとき神の国は完成します。まさに実在する天国のことです。イエスはこの神の国の福音を宣べ伝えていたのです。この働きにお供をしていたのが十二弟子で、著者ルカが特に紹介したいのは、その一行にご一緒した婦人たちです。この人たちは神の国の福音のためにどこまでも協力したい人たちです。協力したいときだけ行ったのではなく、自分の都合に合わせて協力下のでもありません。今まで自分を必要とされてこなかったが、ここで必要とされたから嬉しくて!協力したのでもありません。熱意から出たものでもありません。彼女たちは神の国の福音の素晴らしさを知っていたから、それを宣べ伝えることに協力しているのです。「イエスによって悪霊や病気を直していただいた人たちで、つまりイエスの救いと罪の赦しを受けたから自発的に仕えています。神の国の福音に仕える奉仕は、まずイエスの絶大な救いの恵みを信じ、受けてからです。