2016年1月24日 ルカの福音書 -神の支配の到来-

しかし、わたしが、神の指によって悪霊どもを追い出しているのなら、神の国はあなたがたに来ているのです。
ルカ11:20


講解説教No.61
ルカ11章14-26節

 祈りについての教えを終え、今イエスはエルサレムに向かって進んでいる最中です(9:53)。きょうはその流れの中でイエスがパリサイ人と対決される話です。イエスが悪霊を追い出し、口が聞けなかった人が話すことが出来るようになりました。群衆は驚きましたが、これを冷ややかに見ていた人たちがいました。イエスを監視するために派遣されたユダヤの監察団です。イエスを議会に告発するための材料を狙っています。彼らもイエスの奇蹟を否定できずにいますが、「悪霊のかしらによって悪霊どもを追い出している」と攻撃してきました。イエスはそれに対してまず、内輪もめはおかしいと言い、またパリサイ人の弟子たちにも悪霊を追い出している人たちの例を出されて、彼らも悪霊によって追い出していることになり、イエスを批判するように仲間を批判することになると、常識的な部分で反論されました。これだけで敵方は反論できないわけですが、イエスはさらに続けます。「わたしが、神の指(神の御霊)によって悪霊どもを追い出している」と。イエスは公生涯に入られたとき、聖霊をお受けになりました(3:22)。それ以降イエスの宣教は聖霊の働きによって進められて来られました(4:14,18)。神の御霊がイエスを通して働いておられる事実が、「神の国(支配)が来ている」証拠なのです。それによってサタンの支配は追い出されてしまったのです。私たち自身がイエスによってサタンから解放されている事実を覚えるべきです。今私たちの生活の中に「神への感謝」があるのは、私たちの中からサタンを追い出してくださった一つの証拠です。神への感謝がないことを聖書は、むなしい心の問題として深刻に扱っています(ローマ1:21)。サタンの支配化にある人は感謝がありません。しかし、今私たちの内から感謝があふれるのは、聖霊の力によって悪しき者が追い出されたために可能なのです。この事実に立って宣教に従事しましょう。