2016年5月15日 ルカの福音書 -悔い改めの実 神の忍耐-

番人は答えて言った。『ご主人。どうか、ことし一年そのままにしてやってください。木の回りを掘って、肥やしをやってみますから。
ルカ13:8


講解説教No.75
ルカ13章1-9節 

 災難にあったガリラヤ人のことを報告した人がいましたが、罪深いからさばきを受けたと思っていたようです。しかしイエスは否定し、「あなたがたも悔い改めないなら、みな同じように滅びます」と。シロアムの塔が倒れた突発的な事故で18人もの人が死んだことを例に取り、同じように悔い改めないなら、みな同じように滅びるとくり返されました。問題は死んだ方々ではなく、生きている人間です。こういう時こそ、今の時代を見分け、何が正しいかを判断しなければなりません。3年もの間いちじくの木の実がなるのを待ったが成らないので切り倒せと主人が番人に告げるたとえ話をされました。番人は「どうかそのままにしてやってください」と。せっかく植えてもらったのに、いつまでも主人に対して実を結ばない罪深い状態、負債を負った状態があります。イエスは残虐な支配者に殺されることも、突発的な事故で命を落とすことも罪に対する罰だとはいいません。むしろそういう人たちに問いかけます。「あなたがたは罪深い者ではないか、返済不可能な負債を神に負っているのではないか」と。イエスは「悔い改めないなら…滅びます」と言い、「…死にます」と言っておられません。原語で「滅びる」は「いなくなる」の意味です。イエスが言われたいことは「地上に生きている今、あなたがたは悔い改めなければならない、それこそ今のこの時代を見分けること」ですと。悔い改めるとは、悪いことを犯したことを反省するという意味ではなく、本来生きるべき場に帰ること、神との交わりの中に帰ることです。「…そのままにしてやってください」との番人の願いは「赦す」という意味です。「父よ。彼らをそのままにしてやってください。私が彼らのために死に、復活し、そしてこれからも語りかけますから」(ルカ23:34)