2016年6月26日 ルカの福音書 -高くする者は低くされ、低くする者は高くされる-

その人たちはお返しができないので、あなたは幸いです。義人の復活のときお返しを受けるからです。」
ローマ14:14


講解説教No.78
ルカ14章1-14節

 イエスは安息日に18年間病の霊につかれて病気の人(13:10-13)と、水腫の病気の人(14:1-4)を癒されました。これに対して、安息日に仕事をしてはいけないと厳しく守っていたユダヤ人たちはイエスを責めました。安息日であっても命を救うことは律法でも認められているにもかかわらず、安息日の本来の意味と目的を見失っている彼らに対して、イエスはたとえを話されました。パリサイ人の食事の席に招かれたイエスは、他の招待客ができるだけ上座の席を選んで座っているのをヒントに話されたたとえのポイントが「上座に着いた人は、後で末席へ移動させられ、末席に着いた人は、後で上座へと移動させられる」というものでした。この結論が11節の「自分を高くする者は低くされ、自分を低くする者は高くされる」となります。高くする者とは、「友人、兄弟、親族、近所の金持ち」で(12)、低くする者とは「貧しい者、からだの不自由な者、足のなえた者、盲人たち」813)です。両者の違いはお返しができるかできないかです(お返しに自分の主催する宴会に招待できるか)。イエスは貧しくてお返しのできない人をこそ招きなさいと教えます。そうすることによって「義人の復活のとき、お返し(報い)を受けるからです」世の終わりにおける神のさばき(報い)のことです。報いてくださるのは神であって、貧しい人こそ招くことを神は喜ばれます。自分を低くする者とは、神の恵みをただで受けるだけで、何のお返しもできない、神に貢献するものを何も持っていない人のことです。あの18年間病気の人、水腫の人にあらわされています。どちらも助けないと死んでしまうという事態なのです。その人自身、救いを必要としていることを自覚し、救い無しには生きることができない、神はこの人たちこそ招き、救ってくださるのです。「わたしは、高く聖なる所に住み、心砕かれて、へりくだった人とともに住む。へりくだった人の霊を生かし、砕かれた人の心を生かすためである。」イザヤ57:15