2016年8月14日 ルカの福音書 -富の正しい用い方-

この世の子らは、自分たちの世のことについては、光の子らよりも抜けめがないものなので、主人は、不正な管理人がこうも抜けめなくやったのをほめた。
ルカ16:8


講解説教No.84
ルカ16章1-13節

 15章が神の愛の偉大さについてイエスに反する者たちに教え、16章はいっさいの所有者であり審判者である神を弟子たちに教えています。やがて人は神から預かっていたものを神の前に報告する時が来ます。ここでイエスは弟子たちに対して、将来イエスに報告するために、今弟子としてどうすべきかを、たとえをもって教えられました。(たとえの内容)主人の財産管理を任せられていた管理人が、管理の仕方で不正をしているという訴えがされました。管理人は解雇の危機をどうしたら乗り越えられるかを考えた末、いつ仕事を辞めさせられても、人がその家に迎え入れてくれる策を取りました。主人から借金をしている取引先の人たちを呼び、主人からの借金を減額してあげたのです。借金を減額した人たちの信頼を得て、今解雇されたとしても、将来の再就職に有利な立場を作ったのです。このたとえからイエスが弟子たちに教えたいことは管理人の賢さです。この世の人たち(未信者)は、知恵を用いて将来に備えるのに対して弟子たちは天に宝を積む際にそれほど知恵を用いていないというのを前提に、もっと賢く知恵を用いよ!と言っています。具体的には「不正の富で、自分のために友をつくれ」と。神から預かっている富を用いて、たましいをキリストに導くこと、永遠に続く友情を築きなさいと教えています。富とは私たちの体にはじまり、才能、教養、知識、技術や資格、これらのものは神から預けられた神のものです。不正の富と言っているのは、神の所有を忘れ自分の楽しみのために使うことで、汚れたお金のことではありません。不正な管理人は主人の富を用いて自分のために友を作りました。それに対して弟子たちも、この世の富はすべて神から託されたものであることをしっかり自覚して、やがて来る神の国のために友を作らなければなりません。そのために、消極的には、神から委託されたものを自分で楽しむのを止めましょう。これらは必ずキリストのさばきの座(Ⅱコリント5:10)でどう扱ったのかを残らず報告しなければなりません。次に積極的に神から委託されているものでたましいをキリストに導き、キリストの弟子をつくりましょう。あなたのビジネスライフも神から委託されたものです。それを用いて人々をキリストに導くのです。ビジネスライフで疲れた自分をクリスチャンライフで回復させるというものではありません。生き方を分離するから疲れるのであって、二つ同時に生きることはできないのです。