2017年3月19日 ルカの福音書 ー終わり(終末)を見つめて生きるー

戦争や暴動のことを聞いても、こわがってはいけません。それは、初めに必ず起こることです。だが、終わりはすぐには来ません。
ルカ21:9
 

講解説教No.108
ルカ21章5節~19節

 聖書は世界には終わりがあると教えます。神が天地万物を創造されて始まった世界は、神によって終わります。イエスはそのための準備を教えていますので、必ず知っておかなければならないことです。第一に「こわがってはいけない」(9)ことです。こわがると不安がって惑わされやすくなるので「惑わされないように」(8)することも大切です。こわがることのない根拠は、世の終わりの際に起こる戦争や暴動は「初めに必ず起こること」だからです。生きている間、争いが起こらないように努力することは必要でしょう。しかしイエスはそれよりも「必ず起こる」、すなわち争いは決してなくならないことを強調しています。イエスのこの教えに基づいて世界の動向を冷静に見据えましょう。もう一つこわがる必要のない大切な点は、戦争や大地震、飢饉などが世界を終わらせるのではないという理解です。大地が狂ったように揺れたら終わりを感じずにはいられないでしょう。しかし世界を終わらせるのはそれではなく、神です。具体的にはキリストが再臨されることによって世界が終わります(27)。このキリストを待ち望むという終わりを見つめて生きることを必ずしましょう。再臨の信仰は迫害をも忍びます。世の終わりの危機的な意識の中ではクリスチャンがクリスチャンを裏切ることも起こるとイエスは教えます(16)。そのとき「忍耐」することが求められています。裏切られてもそこに留まり続けることです。この時ほど与えられた救いの確かさを試されることはありません。自分の愛が報いられないときこそ、「こんな愛のない無力な私をイエスが愛してくださったのだ」と無限の愛を体験できるときです。この自分の姿はそのままキリストを証しします(13,14)。