2014年3月16日 エペソ人への手紙 - 盗むな~働くこと~ -

盗みをしている者は、もう盗んではいけません。かえって、困っている人に施しをするため、自分の手をもって正しい仕事をし、ほねおって働きなさい。
エペソ4:28


講解説教No.29
エペソ4章28節

 盗むなという教えはエペソの諸教会の兄姉たちに向けられています(教会内で起こったのでしょう)。そのような低い倫理基準から高い水準の「困っている人に施しをするため…働きなさい」というのがつかんでもらいたい聖化の部分です。本来仕事(労働)は、神の働きの参与として人間に与えられています(創世記1:26,2:15)。御国の完成に向かって神に代わって責任ある働きができることは喜び、楽しみです。ところが堕落後、仕事は強い者が弱い者を支配して成り立つ強制的な秩序に成り変わりました。クリスチャンは否定的な流れに抗する戦いの中に置かれています。ですから常にキリストにとどまり続けていなければいけません。では、教会の中ではどうでしょうか?教会は天に属するものとはいえ、地上の支配の中にあるものとして、両者の引っ張りがあります。世の力に引っ張られれば、教会でも盗みが生じるのです。本来盗みは、自分が労せずして他人のものを手に入れることですから、締りのない生活をして、働かずただで他人のパンを食べることも盗むことになります。ですから私たちはしっかりとキリストを着こなさなければなりません。

 どういうふうに?「困っている人に施しするために」一生懸命働くのです。教会の中で困っている人に献金をささげることを言っています(Ⅱコリント8:2)。実際私たちはそれぞれの勤労の実から献金をささげています。すでに困っている人への献金の働きに参加しているのです。世の流れと教会の流れの区別をしっかり認識して、私たちは自分のためにのみ働くのではなく、神の働きへの参与として、他の兄姉のためにささげていこうではありませんか。その信仰が消極的になっていくと、世の流れに持って行かれてしまいますから気をつけましょう。