2014年8月17日 ルカの福音書 -確信されている出来事-

それによって、すでに教えを受けられた事がらが正確な事実であることを、よくわかっていただきたいと存じます。
ルカ1:4


 「イエスキリストを正確な事実として良くわかってもらいたい!」という理由で書かれたものがルカの福音書です。ルカの本業は医者です(コロサイ4:14)。医学に関係のない本を著作するために時間と労力と能力を費やしました。その理由はキリストを知ってもらいたかったからです。その相手がテオピロという人物ですが、求道中の人なのか、すでにクリスチャンなのか定かではありません。ただ、一度教えを受けていることは確かなようですが、それでは不十分とルカが見なしたのでしょうか。このようにルカを駆り立てたものは、彼自身が主を知る喜びを抱いていたからです。それは福音書の内容を見れば明らかです。自分を救ってくださった救い主を自分自身が知りたいtと思うのは当然のことです。キリストを良く知った結果、それを自分にとどめて他人に知らせないでいるということが到底できなくなったのです。彼はイエスキリストの正確な事実として、キリストの目撃者とその記録されたものを採用しました。当時、正確ではない多くの記録もあったのでしょうが、祈りつつ正確な事実を求めて地道な作業を進めました。そしてルカは集めた材料を「順序立てて」つまり論理的に書きました。これは時間的、歴史的な順序を意味しているというよりも、霊的、精神的に論理立てることに心を費やしたのです。他の福音書記者が「ツァラアト」とするところを、ルカは「全身ツァラアト」としたり、死人の中からよみがえられたイエスを「霊ならこんな肉や骨はありません」と完全なる人間を証明しています。さらには悪霊を追い出し、嵐を静め、病人をいやしたりと、神としてのキリストを証明しています。その中には病人の「熱をしかりつけ…」(4:38,39)と記述があり、医学的にはありえない部分を正確な事実として書いています。本来医者としての立場を当然書きたいところですが、ルカは神としてのイエスを事実として書いただけです。私たちもそのようにキリストの事実を正しく知る必要があります。それが自分の専門、経験の立場からではなく、聖書から知るべきです。この方を知れば知るほど、誰かに良くわかってもらいたいと思わないではいられなくなるでしょう。