2017年4月9日 ルカの福音書 -試みる者-

身を慎み、目をさましていなさい。あなたがたの敵である悪魔が、ほえたける獅子のように、食い尽くすべきものを捜し求めながら、歩き回っています。
Ⅰペテロ5:8


講解説教No.111
ルカ22章1~6節

 サタンの働きの目的は、人々をイエスから引き離すことです(救いの阻止)。「…ユダにサタンが入った」(3)とは、彼がもともと悪い人間だからということではなくて、聖書が伝えていることは、ユダの裏切りはサタンの働きによって起こったものだということです。ユダを誘惑し、ペテロを誘惑し(31)と救いを阻止できれば、誘惑するのは彼らでなくもいいのです。つまり、そのような誘惑は私たちにも起こり得るということです。人は自分の中にわずかでも「その願い」がある時に誘惑されます。ユダの小さな願いはお金でした。最初は弟子団の会計係を任され(ヨハネ13:29)、少しずつお金への執着が育っていきました(ヨハネ12:4—6)。サタンはその人の心の内に考えていることを誘惑して、行わせようとします。罪を犯すのは本人であって、サタンは罪を犯させようと誘惑します。誘惑に陥らないためにすべきことは「祈ること」です(ルカ22:40,46)。自らの力でサタンに勝つことは不可能です。それに対する聖書の指示は避けることと、祈ることです。ペテロはこのときの経験を生かして、後の手紙で「信仰に堅く立って、悪魔に立ち向かいなさい」(Ⅰペテロ5:9)と語りました。これは戦闘ではなく信仰に立ち続けることです。立ってイエスの側に居続けることです。そうすると、何かに誘惑されても、イエスがサタンと戦ってくださるのです。イエスはすでにサタンにも死にも勝利宣言をされています。悪の策略、ユダの裏切り、民衆の裏切り、何があろうとも神の救いのご計画を進められていくのです。イエスから引き離すサタンの働きを承知しておいてください。承知したなら誘惑に陥らないように祈らずにはいられません。祈ってください。