2018年1月29日 ペテロの手紙第一 -従いなさい ―新しい態度―-

しもべたちよ。尊敬の心を込めて主人に服従しなさい。善良で優しい主人に対してだけでなく、横暴な主人に対しても従いなさい。
Ⅰペテロ2:18


講解説教No.13
Ⅰペテロ2章18~21節

 福音を宣べ伝えるために救われた私たちは地上には一切属さない天上の立場にある者です。ですから地上では一時的な滞在者であって地上の人々と過ごし方が違います。ペテロのいた頃のローマ社会は「しもべ(奴隷)」が大ぜい生活していました。クリスチャンであるしもべも大勢いて、ペテロはまず彼らに対して地上でどう過ごすかを教えます。しもべが仕事全般、実業をなしローマ人は仕事をしないで優雅に過ごす、それが奴隷制度のローマ社会でした。しもべは鎖で繋がれているなどなく普通に生活をしていますが、法律上の権利を持っていません。主人が法です。聖書がここで教えていることは労働者の権利の問題ではありません。働く人の動機、姿勢です。地上におけるしもべの立場のクリスチャンが、天上の立場としてどう過ごすかということが問題なのです。ここで求められていることは、心からの尊敬をもって主人に従うことです。とりわけ横暴な主人に対してこそ従うことが求められています。神はクリスチャンが不当な苦しみを受けることを認めていることを覚えてください。そこには「従う」ということを通して人々にキリストを指し示す狙いがあるのです。自分の罪のために苦しんでもクリスチャンとして特徴づけることはできないし、人々がその姿をクリスチャンになりたいと思えないでしょう。私たちがクリスチャンとされたのは苦しみから逃れるためではありません。福音を宣べ伝えるためです。ですから不当な苦しみを受けた時に尊敬をもってなおも従う姿は間違いなくキリストを指し示していることになるのです。これが地上で「従う」という新しい態度です。これまでの態度が「なぜこんな目に会わなければ」という悲観的なものであったのなら、きょうの教えを受け止めて準備し直しましょう。そうすれば苦しみに耐えるだけではなく、キリストを示す勇気を持つでしょう。