2018年3月18日 ペテロの手紙第一 -「祝福を受け継ぐために」-

最後に申します。あなたがたはみな、心を一つにし、同情し合い、兄弟愛を示し、あわれみ深く、謙遜でありなさい。
Ⅰペテロ3:8


講解説教No.17
Ⅰペテロ3章8~12節

「愛する者たちよ…」(2:11-)ではじまったペテロの勧めのまとめとして、どうすれば祝福を受け継ぐことが出来るのかを教えています。それは心を一つにすることです。具体的には信仰を一致させることです。兄姉たちが神の民としてりっぱにふるまうと信じている一致であり、どんな相手であろうと尊敬して従うことを疑わない一致です。そのような地上の生活そのものが福音宣教であると理解し、そこに異議を挟まない一致です。そのための方法、手段が一致することではありません。それらはむしろ互いの賜物から来る有益な意見として、違いがないと教会を形成できません。このようにして教会は違いのある人たちが同じ方向を向いて一つとなるのです。同じ方向を向くために必要なのが、第一に同情し合うこと、つまりともに苦しむことです(ローマ12:15,16、Ⅰコリント12:26)。第二に兄弟愛を示すことです。これは救われたことによって兄弟愛を抱くようになったものであって(Ⅰペテロ1:22、1:2)、人の努力の及ばないところです。ないものを示すのではなく既にあるものを示すのです。第三にあわれみ深くあることです。自分の利益以上に他の人の必要を敏感に覚えることです。第四に謙遜でいることです。神を頼らなければ何も成し得ないと神を尋ね続ける人です。この人は罪に落ちた時に、罪の苦さにとどまらず、こんな私をあわれんでくださったと感謝が生じて来る人です。4つのことは「互いに」行うのであって、ひとりでは出来ないことです。つまり私たちは神のみこころをひとりでは決して行うことができないということです。神のみこころは互いに愛し合うことです。互いが必要なのです。他の兄姉とのかかわりがかかせないのです。私たちは祝福を受け継ぐために召されていますから、悪をもって悪に報いることができません。祝福を受け継ぐとは、ひとりでも滅びることを望まずすべての人が真理を知ることを望んでおられる神と同じ救霊の思いを引き継いでいくということです。それ以外に私たちが召された理由はありません。